韓国ドラマよしなしごと備忘録

韓国ドラマの個人的感想メモです。ラブコメを中心に。あらすじは書いていませんが、ネタバレする部分もあります。

韓国ドラマ感想「ミスター・サンシャイン」

壮大にして長大・・・重厚な作品ゆえ、長く感じてしまうのは仕方ないか。

Netflixで1話1時間越えで全24話、サクサク進める内容ではないので、他の作品と並行しながら観て、時にはしばらく間を置いたりして、数か月かけてようやく完走することができた。

制作費430億ウォン (43億円) を掛けたと言われるキャスト、セット、衣装は全てが完成度が高く、まずそれだけでも一見の価値がある。

「ミスター・サンシャイン」作品メモ

ジャンル:時代劇、メロドラマ

放送年:2018年

放送局:tvN

脚本:キム・ウンスク

主演:イ・ビョンホン (「オールイン 運命の愛」「IRIS-アイリス-」)

   キム・テリ (「二十五、二十一」)

 

あくまでもエンタメとして楽しもう。

舞台は1900年代初頭の朝鮮、日本でいうと日露戦争が始まる直前で、日韓併合に向けて動き始めた頃である。

日に日に日本が侵略の動きを強めてくる状況下、登場人物たちがそれぞれどう祖国と向き合うのか、ということが描かれている。

 

このような時代設定だけに、日本人から見るとかなりキツめの描写が多いことは先に記しておこう。

それを乗り越えてエンターテイメントとして楽しめるかどうかはあなた次第、といったところか。

 

思い起こせば本作と同じキム・ウンスク脚本の「太陽の末裔」を見たときに、ラブストーリー100%を期待していたので、必要以上に愛国心を想起させるセリフや国旗のアップに、(世間の高評価に反して) 正直ゲンナリしたものだった。

 

 

エシンを取り巻く男たち。

さて、それぞれがどう祖国と向き合うか、と先述したが、ストーリーの中心は、上流階級のお嬢様でありながら、国の未来を憂い義兵として戦う道を選ぶコ・エシン(キム・テリ)を、彼女を愛する三人の男たちがそれぞれのやり方で守っていく、というところにある。

 

3人の男とは、元々朝鮮人ながらアメリ海兵隊大尉となったユジン・チョイ (イ・ビョンホン)、最下層階級出身で日本に渡って浪人組織のリーダーとなったク・ドンメ (ユ・ヨンソク)、朝鮮一の富豪の跡取りでエシンの婚約者のキム・ヒソン (ピョン・ヨハン)。

 

この3人の男たちが三者三様に色気がありとても魅力的だ。

 

イ・ビョンホンは言わずもがな、ユ・ヨンソクは彼の古風な顔立ちも相まってクールなク・ドンメが最高にマッチしているし (「愛と、利と」のサンスと同一人物とは思えない)、ピョン・ヨハンは気楽なお坊ちゃんから芯のある男に脱皮していく姿を好演していた。

 

 

やはり最上級が揃うと良い作品なる。

そしてキャスティングの真骨頂は、コ・エシンのキム・テリだ。

 

ユジンとエシンがお互いの鼻から下を手で隠して、目を確認しあうという印象的なシーンがあるのだが(トップに貼った写真参照)、そのエシンの瞳の圧倒的な力を見ると、ああ、この役はキム・テリにしかできないな、と実感させられる。

 

巷で言われる通り、実際には50歳オーバーのイ・ビョンホンと20代のキム・テリのラブストーリーは確かに違和感があるのが、二人の存在感と演技力をもって力技で押し切り、徐々に違和感は消え、二人で一緒に明るい未来を歩んで欲しい、何とかハッピーエンドを、と願うようになっていくのだ。

 

未来がないとわかっていながらユジンがエシンにプロポーズする場面、写真館で最初で最後の夫婦写真を撮る場面は切なすぎた。

 

お金をかけている作品が必ず良い作品になるとは限らないが、最上級の役者、スタッフ、セットが揃うと物語に没入でき、満足感も高いのだと改めて感じた作品であった。