韓国ドラマよしなしごと備忘録

韓国ドラマの個人的感想メモです。ラブコメを中心に。あらすじは書いていませんが、ネタバレする部分もあります。

韓国ドラマ感想「セレブリティ」

スタジオ・ドラゴン制作にハズレなし・・・この定説をまたも強固なものにする作品が現れた。

中だるみ一切無し、全12話という中距離を全力疾走で駆け抜ける。

ファッションインフルエンサーを描いているというと女子受け作品のように思えるが、作品の軸は渦巻くプライド、そして劣等感と嫉妬、というところにあるので、このスピード感があれば男性もハマること間違いなしだ。

「セレブリティ」作品メモ

ジャンル:ヒューマン、サスペンス

放送年:2023年

放送局:NETFLIX

脚本:キム・イヨン

主演:パク・ギュヨン (「サイコだけど大丈夫」「Sweet Home」)

   カン・ミンヒョク (CNBLUE)

 

イマドキなシンデレラは、最初からスター性がある。

以前は裕福だったが今は落ちぶれ、学業も諦め化粧品の訪問販売をしているソ・アリ (パク・ギュヨン)。

SNSには全く興味のなかった彼女が、インフルエンサーとして成功している高校の同級生との再会から、徐々にSNSの世界に足を踏み入れていく。

 

本人の意思を超えてどんどんフォロワーが増えていって・・・というシンデレラストーリーな展開なのだが、アリを演じるパク・ギュヨンがどう見ても人並外れたビジュアルで、スター性がダダ洩れ、そりゃ周りがほっとかないよね、と思ってしまう。

 

いわゆる韓国ドラマに出てくるステレオタイプな美女ではなく、無愛想だけど意思のある瞳を持つヒロイン。

最初から綺麗なのだが、更に垢ぬけていき、ファッションショーのフロントロウに座る彼女はイマドキで本当に魅力的だ。

 

12話にコンパクトにまとめたのが勝因。

ロマンス要素が少なめなのも良い。

色々と要素を盛り込むと印象が散漫になってスピード感が落ちてしまうからだ。

全力疾走しすぎて、最後の最後に足がもつれた感があるのが唯一残念だが (真犯人の動機がいまひとつ曖昧)、総じて高レベルな作品なので、そこは良しとしよう。

 

ちなみに、少ないながらもあるロマンス要素のお相手、ジュンギョンを演じているのはカン・ミンヒョクだが、どこかで見たことあるような・・・と思ったらCNBLUEのメンバーだった。

 

CNBLUEはロックバンドだけれども、メンバー各々、時々ドラマに (しかもメイン級で)登場してくるので凄いバンドだ。

日本で例えるとどのバンドだろうか。

・・・いや、メンバー全員が役者業もできるバンドはいない気がする。

 

今の「成り上がり」とは?

短期間でトップインフルエンサーに「成り上がって」いくアリ。

「成り上がり」といえば引き合いに出さずにいられないのが「梨泰院クラス」だ。

 

「梨泰院クラス」の成り上がりが復讐心を燃料にし、びっくりするほど昭和的 (韓国だけど) なのに対し、「セレブリティ」の成り上がりはSNSという虚実織り交ざる蜃気楼のような世界の中での「成り上がり」。

今においては、こちらの方が非常にリアルな「成り上がり」なのだと思う。

 

最後に余談。自分の中の定説がまた一つ増えた。

「オープニング曲がイケているドラマは内容もイケている。」