韓国ドラマよしなしごと備忘録

韓国ドラマの個人的感想メモです。ラブコメを中心に。あらすじは書いていませんが、ネタバレする部分もあります。

韓国ドラマ感想「女神降臨」

ビジュアル至上主義だけど・・・でもやっぱり「己の価値を決めるのは自分よ」!

「女神降臨」作品メモ

ジャンル:ロマンティック、コメディ

放送年:2020年~2021年

放送局:tvN

脚本:イ・シウン

主演:ムン・ガヨン (「偉大な誘惑者」「その男の記憶法」)

   チャ・ウヌ (「私のIDはカンナム美人」「新米史官ク・ヘリョン」)

 

かわいいながらもタフなヒロインにいつの間にか感情移入。

いつも韓国ドラマを見ていると、韓国社会がいかに「ビジュアル至上主義」かを思い知らされる。

特にラブコメは、設定は各々違えどたいがい男性主人公が女性主人公のビジュアルに惹かれたことを出発点としてストーリーが流れていく。

つまり「女性がきれい」であることがドラマの大前提になっているのだ。

「女神降臨」のあらすじを読んだ際にその「ビジュアル至上主義」を露骨に押し出したドラマなんじゃないかと思い敬遠してしまったこと、しかも高校学園モノ、高校を卒業してン十年経つ私が感情移入できるわけないと思ってしまったことにより、しばらく視聴するには至っていなかった。

ところが、ふとした気まぐれで観始めたら・・・あれよあれよと引き込まれ、ちゃんとどっぷり感情移入してしまったのだった。

周りからキツイ言葉を浴びせられても、親友の裏切りにあっても、タフに立ち上がり、成長していくジュギョンが生き生きと描かれている。

 

女子憧れの黄金パターンは、やはり飽きない。

とはいえ、第一話は主人公ジュギョン (ムン・ガヨン) がいじめられるシーンが続き、そこはちょっと辛かった。

しかしそこを通過すると物語はジェットコースターのように流れ出す。

高校を転校するタイミングでメイクに目覚めたジュギョンは見事に転校デビューを果たし、念願の親友を手に入れ、更に学園ツートップのイケメン二人が自分をめぐって嫉妬しあい、ついには容姿関係なくジュギョンの性格を好きになってくれたスホ (チャ・ウヌ) と思いが通じ合い・・・。

富士山を駆け上がるかのごとく疾走感あふれる展開で、二人も結ばれたし、ジュギョンも容姿のコンプレックスから解放されて万々歳、これでドラマもクライマックスだなーと思っていたら、あれ?まだ何話も残ってる??

スホの父親がアメリカで病に倒れたことで物語が別の方向に転がりだしたのだ。

スホが看病のために渡米してしまい、二人は遠距離恋愛に。父親が一旦回復して帰国しようとしたところで再度倒れ、先の見えない長期入院へ。

 

最初に好きになった男か、そばにいて本音を話せる男か。

ここでスホが選んだ道が「ジュギョンと別れる」ことだった。理由は「先が見えないのに待ち続けるのはつらいだろ」とのこと。

そりゃないっすよ、スホさん・・・。

 

諦めきれないジュギョンは大学受験の辛さを理由に連絡を続けていたのだが、試験が終わると理由がなくなってしまい「もう連絡するのはやめるね」と最後のメールを送る。

このメールの文面が (高校生とは思えない程) さりげないのに文学的!何度見ても泣いてしまう。

高校卒業という節目で、引きずっていた恋になんとか終止符を打ったジュギョンなのだった。

 

ところが!そこから更に時が経ち、元気に過ごすジュギョンの前になんとスホが現れるのだ。「会いたくて死にそうだった」と。

1年くらい連絡もなかった (ジュギョンのセリフより) のに突然現れた後は、家やインターン先に押しかけるわ、メール送りまくるわ・・・しかも何事もなかったかのようなノリで「俺を思い出したんだろ」って・・・

そりゃないっすよ、スホさん・・・。そんなキャラでした??

 

なんだか解せないキャラ変をしたスホとは対照的に、私の中で株爆上がりしたのはハン・ソジュン (ファン・イニョプ) だ。

ジュギョンが失恋した時、受験の時・・苦しい時に必ずそばで支えてくれたソジュン。本当にいい男。こういう人と付き合うのが良いと思うのだけど・・・。

ファン・イニョプは撮影時点で20代後半だと思うのだが結構高校生に見えるのも、ソジュンがいい男に見えるのも、彼の表現力によるところが多分にあるので、他の作品での彼も見てみたくなった。

 

ストーリーとしては王道中の王道なのだけど、でもやっぱり「160キロ 直球 ど真ん中」な王道が最強なのだと改めて思わせてくれた作品だった。